ペイントプロテクションフィルム

ペイントプロテクションンフィルムについて

「ペイントプロテクションフィルム」は、飛び石や擦りキズなどの外的要素から自動車のボディーを守るために開発されたフィルムと思われがちですが、元々は軍事的に開発され使用された経緯があります。

ベトナム戦争中、ヘリコプターのロータブレードや戦闘機のキャノピー、他の敏感な部分は、運用の際にしばしば飛散物や破片によって損傷を受けました。

これらの可動部品を保護するために、米軍は民間企業に目立たずかつ軽量である事を条件に解決策を提示するように求め、代用にあげられたペイントプロテクションフィルムが損傷したロータブレードの交換や修理と比較し、コストや作業効率での違いが明らかであった為、速やかに採用されました。

結果として、ペイントプロテクションフィルムという用語は、自動車への使用が優先されるにつれて一般的になりつつありますが、こういった起源が存在し、性能についても既に実証されて現在に至っている事がうかがえます。

軍用ヘリコプター

ローターシャフトとブレード部分

「Mapro(マプロ)・プロテクションフィルム(以下MPフィルム)」は、車体の保護のために特別に設計されているので、ペイントプロテクションフィルムとして特に重要視される「透明性」、「曲面追従性」、「低粘着性」、「耐汚染性」などの性能に優れた製品です。

MPフィルムの特徴

柔軟性に優れた特殊なポリウレタン(TPU)を使用しているので、車体のより複雑な三次元局面に対しても追従し、密着させる事が可能です。

ポリウレタンは、柔軟で高い弾性と優れた耐摩耗性を持っているので、走行中の飛び石や小枝との衝突などの衝撃を吸収し、車体を守ります。

また、TPU本来の優れた耐油性、耐薬品性に加え、表面に「独自のトップコート」を施してあるので、さらにその効果を高めることに成功しています。

貼付や剥離の際に問題となる「粘着感度」にも着眼して工夫を凝らし、「Low tack(低粘着性)」を採用することで、扱い易いフィルムになっています。

MPフィルムの用途と主な効果

汚れや引っかき傷、軽度の接触による傷から車体塗装面を保護できる
MPフィルムの用途と主な効果1
反復される摩擦による傷を防止(洗車機や動物の接触など)※自己修復効果を発揮
MPフィルムの用途と主な効果2
車体塗装面の光沢効果の向上や視覚効果の付与(コントラスト強調)
MPフィルムの用途と主な効果3
フィルムを除去した後、新車水準の塗装面を維持できている
MPフィルムの用途と主な効果4

MPフィルムのスペック

MPフィルムのスペック
関連試験規格 単位 結果
コーティング厚 μm 10±3
TPUフィルム厚 μm 150±3
光沢度 OTM-3-309 >80
濁度 ASTM D-1003 <1
張力強度 D-412 psi(mpa) 5000(34.47)
破断伸率 D-412 550
耐候性1 TEST1※ 3,000時間(5年相当) 変化なし
耐候性2 TEST2※ 1,000時間 変化なし
TEST1:QUV促進耐候試験機を使用、紫外線4時間照射(50度)、結露状態4時間暴露(60度)
TEST2:6500Wセキノンアークを使用、光線照射:0.51W/m2(340mm)、65度相対湿度50%

Mapro社での開発・製造・性能試験

「Mapro(マプロ)・プロテクションフィルム」はMapro社(韓国)内の専門研究室で開発・製造された後、多種にわたる厳正な性能試験が行われています。

オレンジピール試験

「オレンジピール」は、オレンジの皮の表面のように凹凸に見える現象で、フィルム施工後に塗装表面本来の滑らかさと色合いが最大限に活かされる為には、この現象を抑える必要があります。

オレンジピールとは1 オレンジピールとは2

汚物耐性試験

表面張力を測定し、汚物を耐性を調べる試験です。表面張力が低いほど汚染程度が低いと判断されます。下記の画像は、消費者が客観視できるように油性ペンと水性ペンで実験を行った様子です。

汚物耐性試験1

油性ペン

汚物耐性試験2

水性ペン

伸張試験

ペイントプロテクションフィルムの特性上、三次元局面に対して密着させて施工する事が重要で、フィルムの伸びの良さが作業性に影響を与えます。

また、トップコート製品の場合は、コート面に亀裂が入ってクラック(裂け目)が発生する恐れがありますが、Mapro社製のトップコートは、クラックの発生が起こりにくく、かつ本体部分も柔軟で伸ばしやすい製品に仕上がっています。

MPフィルム 伸張試験
MPフィルムは、約4倍に伸ばしてもクラックの発生は認められません

セルフヒーリング(自己修復)

セルフヒーリング(自己修復)機能は、ポリウレタン(TPU)が主体であるペイントプロテクションフィルムの特徴の一つです。洗車中に発生するスワールマーク(流線型の傷)や繊細な引っかき傷であれば、熱による復元が可能です。

セルフヒーリング(自己修復)機能1 セルフヒーリング(自己修復)機能2 セルフヒーリング(自己修復)機能3
セルフヒーリング(自己修復)機能4 セルフヒーリング(自己修復)機能5 セルフヒーリング(自己修復)機能6
赤外線ランプによるセルフヒーリング効果の実験

水滴性接触及び耐汚染性

水滴の接触角は、表面汚染の程度と密接に関連しています。接触角が低く、水滴の表面に広く広がるほど汚染と水垢が発生しやすい傾向にあります。接触角が90度以下の場合は、「親水(下図左)」、90度以上の場合は、「撥水(下図右)」と言います。

MPフィルムは、撥水性があるので、雨での汚染除去が期待できます。

水滴性接触及び耐汚染性1
水滴性接触及び耐汚染性2
MPフィルム表面にできた水滴

粘着材復元力

粘着材の復元力は、施工性および外観と密接に関係します。

ペイントプロテクションフィルムの特性上、引き伸ばして施工する際に粘着材が破壊される場合があり、この時粘着材が復元されないと施工後、破壊された箇所に跡が残る恐れがあります。

下記の画像の左側は、粘着材が破壊されるまで伸ばして貼付したもの、右側はその破壊された粘着材を復元する為に剥離を数回繰り替えてパネルに貼り直したもの。

粘着材復元力

左側:粘着剤が剥がれた状態 

右側:再貼付し復元されたもの

伸び率試験

フィルムの伸縮性もペイントプロテクションフィルムの施工性と密接な関係があり、この伸縮性が優れているほど施工が容易になります。

試験では、同一サイズのサンプルを機械で一定の長さまで伸ばした際の力を測定します。この際に投入した力が小さいほど、フィルムの伸縮性が優れている事になります。

伸び率試験1 伸び率試験2
サンプルサイズ 10mm(W) × 40mm(L)
試験機 180°peeling tester
試験方法

1)サンプルの10mm部分を固定

2)20mmに伸ばした状態で力を測定

(測定速度:300mm/min)

結果 1.3(kgf/10mm)